千葉県市川市小岩井 清活動状況/平成18年12月活動報告
   こ いわ い  きよし
  小岩井 清
12月定例市議会が12月14日(木)閉会となりました。

  小岩井 清12月12日(火)11時から一般質問に立ちました。
京成本線の連続立体化方式を地下化か高架化か本年度(平成19年3月末)に結論を出すと市長から明確に答弁を引き出しました。
 
 
京成本線立体化は地下か高架
かと質問する小岩井 清 
 
 
 
質問と答弁内容は次の通りです。

フォーラム市川の小岩井 清です。通告に従いまして質問をいたします。
都市基盤整備について、市川市中心部の街づくりと京成本線立体化との整合性についてであります。

第一点は南北交通問題の現状と解消策についてうかがいたいと思います。南北交通問題のネックは京成線の踏切の遮断回数と時間が増えていること、遮断時における車輌、自転車、歩行者も増加し混雑度が増すと同時に非常に危険な状況であります。市はこの現状をどう認識しているかであります。現状についてまずご答弁をいただきたい主要な踏切のうち、 JR 市川駅から真間小学校に向う市川手児奈通り変則5差路の「国府台第3号踏切」、次に真間駅西側真間銀座通りと交差する「国府台第5号踏切」、次に国府台女子学院の前を通り県道高塚新田市川線と交差する「市川真間第3号踏切」、次に京成八幡駅西側行徳街道から八幡小学校に向う市道 2339号と交差する「菅野第5号踏切」、次に県道市川柏線・八幡中央通りと交差する「京成八幡 1号踏切」、次に鬼越駅西側市道 0223号税務署通りと交差する「京成八幡第9号踏切」、次に県が単独立体化事業を実施している木下街道鬼越「第6号踏切」のあわせて7本の主要踏切の現状についてお示しいただきたいと思います。

第二点は南北交通問題の解消には京成本線の立体化を早期にすすめるしか解決策はないと云っても過言ではありません京成本線の立体化の必要性と立体化の方式についてうかがいたいことであります。

あわせまして高架化の場合と地下化の場合のそれぞれのメリットとデメリットとそれぞれの工事費についてご答弁をいただきたいと思います。

第三点は市川市中心部の景観からみた京成本線立体化によるイメージアップについてであります。京成の沿線は市の木、黒松の緑を中心として中心部に葛飾八幡宮、西に平田緑地、諏訪神社、真間山緑地、江戸川、東に真間川の桜並木、中山法華経寺があり、 緑多い住環境の地域であります。

京成本線が高架ではなく地下化し上部軌道敷の土地利用ができる。現在の景観にさらに緑地空間を配置が可能になり市川市の目指しているクリーングリーン市川を象徴する街に修景し、市川らしさ、市川らしい街づくりができるのではないか問題提起をしたいと考えています。ご見解をうかがいたいと思います。

最後に本事業の高架化なのか地下化なのかいつ決定するのか、その事業はどのように進むのかについて明確にしていただきたいことであります。ご答弁を求めます。

以上が第一回の質問であります。ご答弁をいただきまして再質問をいたします。

 
<平成18、12月 一般質問>
   
小岩井清 議員(フォーラム市川)  
都市基盤について   (市長)
(1)  京成本線の整備と街づくりについて
(2)  立体化の方式について
(3)  京成本線沿線幹線道路の交通混雑緩和について
(4)  中心市街地の再整備と活性化について
(5)  住環境の維持保全と景観の修景について
     
 【質問要旨】  
1.  中心街の街づくりと京成立体化の整合性
(ア)  南北交通問題の解消
 ①各踏切の遮断階数と時間
 ②遮断時における、車両、自転車、歩行者の状況について
(イ)  京成本線の立体化の必要性と立体化方式について
 ①高架化の場合のメリット、デメリット、工事費について
 ②地下化の場合のメリット、デメリット、工事費について
     
 2. 市川市中心部の景観からみた京成立体化について 
     京成の沿線は、市の木、黒松の緑を中心とした地域であるが、地下化になれば、現在の景観、さらに中心部に緑地空間を配置するということで、市川市が目指しているクリーングリーン市川を象徴する街になる。
このように、市川市の中心部を修景できるのではないかという問題提起をしたいが、それについて何か考えはあるか。  
     
 3. 今後の予定 
    高架化なのか地下化なのかはいつ決まるのか。また、その後、事業はどのように進むのか。
     
  【答弁】
 
(ア) 南北交通問題の解消
  各踏切の遮断回数と遮断時間
京成本線に関わるご質問にお答えします。
先ず、南北交通問題に関わる京成本線の踏切における遮断回数、及び遮断時間にいてお答えします。

それぞれの踏切の遮断回数、遮断時間につきましては、鉄道事業者であります京成電鉄が平成16年10月、踏切の実態調査を実施しておりますので、この調査に基づき、市内の全線で30箇所の踏切がありますが、ここでは主要な踏切7箇所の遮断回数と遮断時間についてお答えいたします。  
  
[主要踏切の遮断回数と遮断時間]
始めに、JR市川駅から真間小学校に繋がる通りで、いわゆる市川手児奈通りにある変則5差路となっている「国府台第3号踏切」ですが、
・遮断回数が1日、374回、 
・遮断時間が1日、7.1時間となっております。
             (遮断回数14番目、遮断時間14番目)

次に、市川真間駅西側の真間銀座通りと交差する「国府台第5号踏切」につきましては、
・遮断回数が1日、362回、 
・遮断時間が1日、7.2時間となっております。
                 (遮断回数23番目、遮断時間11番目)

次に、国府台女子学院の前を通ります県道高塚新田市川線と交差する「市川真間第3号踏切」につきましては、
・遮断回数が1日、360回、 
・遮断時間が1日、7.4時間となっております。
                 (遮断回数24番目、遮断時間6番目)

次に、京成八幡駅の西側にあり、行徳街道から八幡小学校に向かう市道2339号と交差する「菅野第5号踏切」は、
・遮断回数が1日、342回、 
・遮断時間が1日、7.0時間となっております。
                 (遮断回数29番目、遮断時間16番目)

次に、県道市川柏線、いわゆる八幡中央通りと交差する「京成八幡第1号踏切」につきましては、
・遮断回数が1日、350回、 
・遮断時間が1日、7.9時間となっております。
                 (遮断回数28番目、遮断時間1番目)

次に、鬼越駅西側にある市道0223号いわゆる税務署通りと交差する 「京成八幡第9号踏切」につきましては、
・遮断回数が1日、385回、 
・遮断時間が1日、7.0時間となっております。
                 (遮断回数4番目、遮断時間18番目)

最後に、現在千葉県が単独立体交差事業を実施している木下街道と交差する「鬼越第6号踏切ですが、
・遮断回数が1日、384回、 
・遮断時間が1日、7.3時間となっております。
                 (遮断回数5番目、遮断時間9番目)

このような実態から、傾向としましては、各駅舎に近い踏切ほど遮断時間が長く、その中でも一番長く遮断しております踏切は、八幡中央通りと交差しております「京成八幡第1号踏切」であり、7時間52分15秒遮断しております。
運行本数の多い朝7時から8時台、夜の19時から20時の時間帯では、1時間あたり約30分が遮断されている状況でございます。
参考に申し上げますと、京成本線の市内における運行時間は、始発の午前5時ごろから、終電の午前0時過ぎまでの約20時間で、運行本数はスカイライナーを含め、上下あわせて470本となっております。

通勤特急などが停まります京成八幡駅の8時台には、駅を発着する本数が1時間に32本、という状況でございます。
     
  遮断時における、車両、自転車、歩行者の状況
    続きまして、車両、自転車、歩行者などの踏切を横断する、それぞれの交通量について、お答えします。
先程遮断回数のところで申し上げました、主要な7箇所の踏切の状況を申し上げます。

始めに、JR市川駅から真間小学校に繋がる通りで、変則5差路となっている「国府台「3号踏切」ですが、
・横断する自動車交通量が 1日  6,951台(6番目)
      自転車交通量が 1日  3,294台(5番目)
      歩行者交通量が 1日  4,241人(4番目)
となっております。

次に、真間銀座通りと交差します「国府台第5号踏切」では、
・横断する自動車交通量が 1日   5,881台(8番目)
      自転車交通量が 1日   9,117台(2番目)
      歩行者交通量が 1日  10,058人(1番目)
となっております。

この踏切が、歩行者交通量が一番多いのですが、2番目となる八幡中央通り「京成八幡第1号踏切」の9,818人と拮抗しております。

次に国府台女子学院の前の通ります県道高塚新田市川線と交差します「市川真間第3号踏切」では、
・横断する自動車交通量が 1日  8,243台(4番目)
      自転車交通量が 1日   937台(18番目)
      歩行者交通量が 1日   386人(23番目)
となっております。

次に、八幡小学校前を通る市道と交差します「菅野第5号踏切」では、
・横断する自動車交通量が 1日    2,927台(11番目)
      自転車交通量が 1日   13,299台(1番目)
      歩行者交通量が 1日    4,831人(13番目)
となっております。

この踏切は、市内で一番自転車の横断する数が多い踏切で、2番目の真間銀座通りと交差する国府台第5踏切の9,117台を約4千台上回っております。

次に、八幡中央通り、県道市川柏線と交差します「京成八幡第1号踏切」では、
・横断する自動車交通量が 1日   8,588台(2番目)
      自転車交通量が 1日   4,234台(3番目)
      歩行者交通量が 1日   9,818人(2番目)

また、ラッシュ時となる朝の7時から8時に最大継続遮断時間、連続して踏切が閉じている状態の時間が4分38秒と市内の踏切の遮断時間の中で最大となっており、このため、この踏切での渋滞長が長くなってしまいます。

次に、税務署通りと交差します「京成八幡第9号踏切」では、
・横断する自動車交通量が 1日   8,467台(3番目)
      自転車交通量が 1日   651台(22番目)
      歩行者交通量が 1日   2,977人(5番目)
となっております。

また、木下街道と交差する「鬼越第6号踏切」では、
・横断する自動車交通量が 1日   8,629台(1番目)
      自転車交通量が 1日    669台(20番目)
      歩行者交通量が 1日     158人(28番目)
となっております。

この踏切は、自動車の横断する台数が市川市内で一番多い踏切となっております。
     
(イ)  京成本線の立体化の必要性と立体化方式について
    次に、京成本線の立体化の必要性と、高架化の場合と地下化の場合のそれぞれのメリット、デメリット、工事費について、お答えをいたします。
  【立体化の必要性について】 
    始めに、立体化の必要性についてですが、京成本線は、市川市の市街地中心部を東西に貫き、しかも、市内鉄道のうち唯一地表を走る鉄道であることから、先程申し上げましたように南北道路交通の遮断や、一体的な街づくりなどに問題が生じております。

市内の京成本線沿線は、大部分が松の緑に恵まれた閑静な住宅街を形成しておりますが、周辺は狭隘な道路が多く、特に歩行者が安心して歩ける空間が少なく、防災性も懸念されるという課題を抱えております。

このような課題がある中で、京成本線の立体交差化をすればすべてが解決するわけではありませんが、立体化することにより、交通の面では、踏切事故が解消されることによる自動車、歩行者、交通などの安全性向上や、踏切遮断が無くなることによる道路混雑の緩和や、円滑な交通の流れが図れる等の効果と、スムースな交通の流れからなる経済性の向上など、間接的な効果も期待できます。

一方、街づくりの面では、地域コミュニティの向上、一体的な街づくりの実現、側道等を整備することによる防災機能の強化、騒音、振動等の影響が改善されることによる沿線の住環境の向上などがあります。

京成本線の市内延長は4.5キロメートルありますが、この間に30箇所の踏切があり、その30箇所の踏切を通過する自動車は、1日約7万7千台であり、6万2千台の自転車、5万3千人の歩行者が通過していることから、立体化となればその効果は大変大きいものと考えられます。

いずれにしましても、沿線の住民・市民あるいは、鉄道事業者、県などの理解と協力が必要な事業と認識しております。

次に、高架化の場合と地下化の場合のメリット、デメリット、工事費について、お答えいたします。 
   高架化の場合のメリットは、デメリット、工事費について
   まず、高架化の場合のメリットは、
   イ  踏切事故が無くなる。
   ロ  高架事業と併せ側道が整備される。
   ハ  線路を改良できるため、現状より騒音を低減できる。
   ニ  側道を整備することにより、都市の防災性が向上する。
   ホ  高架下の土地の15%が利用可能となる。
   ヘ  地下化と比べて災害の発生時における対応が容易。
   ト  乗客に市川の風景や街並みをアピールできる。
   チ  高架の場合の駅舎が商店街の目印となる。
   リ  国府台側と船橋側が高架のため、路線の上り下りが少なく、エネルギ
-のロスが少ない。
   ヌ  地下化と比べて工事費が安い。
   ル  費用高架率、いわゆるB/Cが高い。
  ということがあげられます。 
     
  デメリットとしては、
   イ  高架構造物(高さ約7m)による圧迫感がある。
   ロ  沿線の景観阻害の可能性がある。
   ハ  日照が課題になる。
   ニ  高架構造物で視覚的に地域を分断される。
   ホ  騒音の影響が広がる傾向がある。
   ヘ  橋脚などの構造物により、自由に設備等を造れない。
     
  工事費としては、現在様々なケースを想定して新たに工事費などの精査をしておりますが、まだ提供できる状態に至っておりません。先に提言を受けた、菅野駅から鬼越駅区間での工事費を申し上げますと、用地費等を含めた総事業費は約300億円で、その内、工事費は約161億円となります。
     
   ② 地下化の場合のメリット、デメリット、工事費について
     次に、地下化の場合のメリット等について申し上げます。
  先ず、メリットとしては 
   踏切事故が無くなる。
   ロ  構造物が地下となるので、周辺の現景観が保たれる。
   ハ  騒音、振動、日陰の影響がほとんど無い。
   ニ  上部を、緑道や公園として使うことが可能となる。
   ホ  上部を道路として利用する場合、都市の防災性の向上を図ることが
できる。
   ヘ  上部に新たな商業都市を作ることが可能となる。
   ト  視覚をさまたげる物がないため地域の一体感が生まれる。
     
  デメリットは、 
   イ  高架化と比べると工事費が高い
   ロ  費用対効果、B/Cが低い
   ハ  取り付け部分が掘割になることから、地域分断が高架案と比べて長く
なる
   ニ  災害の発生時における対応が難しい。
   ホ  掘割区間で上部より物を投げ込みされる可能性がある。
   ヘ  掘割区間と換気搭の周辺で騒音が発生する。
   ト  
  工事費としては、高架化と同様に提言された、菅野駅から鬼越駅までの区間で申し上げますと、用地費等を含めた総事業費は約504億円で、その内、工事費は約374億円となります。
     
2.市川市中心部の景観からみた京成立体化について  
  京成の沿線は、市の木、黒松の緑を中心とした地域であるが、その現在の景観、さらに中心部に緑地空間を配置するということになれば、市川市が目指しているクリーングリーン市川を象徴する街になる。このように市川市の中心部を修景できるのではないかという問題提起したいが、それについて何か考えはあるか。
市川市中心部の景観から見た京成立体化についてお答えいたします。 
     
  【現風景】 
京成沿線には多くの黒松が見られます。特に菅野駅付近の平田緑地などに黒松の群生が見られるところです。
都市化の進む中で、今なお樹齢200年前後の沢山の黒松が市街地に生育している様子は、貴重なものであります。

 また、市街地では、防風防砂林などとして畑の区画や境界に沿って植えられた黒松が、畑が住宅地に変わると、宅地の境界や道路沿いの並木のようにして残され住宅の間を行く曲がりくねった道の両端に黒松がそびえているのを見受けます。
特に黒松の多い新田や菅野では、黒松と民家の塀と細い路地が組み合わされて落ち着いた景観を形づくられています。
     
  【問題提起案の検討】
ご提案を頂きました、京成本線立体化に伴い生み出された空間を利用して、中心部に、緑地空間を配置するということについてでありますが、黒松は、西は市川小学校付近、東は鬼越の神明神社付近、北は冨貴島小学校付近を頂点にした、幅約500メートル、長さ約4キロメートルの、縄文時代にできた細長い三角形の「市川砂洲」と呼ばれる地形の上に存在しており、京成本線は、ほぼこの市川砂洲の上を走っておりますので、修景効果は高いものと思います。
  
また、地下化の場合、現在の線路跡地は、京成電鉄の所有地でありますので、その利用にあたっては京成電鉄との協議が必要ですが、上部の土地に緑地空間を設けることも可能と考えております。高架の場合は、鉄道に沿って環境に配慮した側道を整備しますので、歩道部分への植栽が可能です。
     
【まとめ】
市川市は、黒松の病虫害対策のための薬剤散布の支援や、民有地や屋敷林に生育する黒松(幹回り150cm以上)や巨木(幹回り3m以上)を対象に、樹木の保存等に関する協定を所有者と締結し、剪定費用や枯れた場合の撤去費用の補助をおこなって黒松の保全に努めております。

昔からの街づくりの中で大切にされ、受け継がれてきた市街地の黒松は、市川の誇りでありますので、現在生育している樹木のうち保護保全の可能なものの保護と後継となる若い樹木を育て、後世に伝えていく必要があると考えます。
 「連続立体交差事業を行う場合には、中心部の空地に緑地空間を配慮する」という提案は、貴重なご意見として受け止め、市民のご意見などと合わせながら、検討させていただきたいと考えております。
     
3.今後の予定  
高架化なのか地下化なのかはいつ決まるのか。また、今後、事業はどのように進
むのか。
 
   【現状】
平成18年度は、市川市としての方向性を出すことを目標とし、これを検討するため、庁内に助役を委員長とする、京成沿線整備検討委員会を設置するとともに、専門家による詳細な調査検討をいたしております。
現在、街づくりの観点から、「立体交差等による沿線市街地への影響」として、施工区間、地下化と高架化の場合や工法の違い等による工事費、余地買収面積、金額などの精査、及びその件数、整備による効果、環境への影響などを比較検討するとともに「市川真間駅、菅野駅、京成八幡駅、鬼越駅周辺整備と駅前広場等の整備形態」などについても併せて検討しております。
連続立体化を地下化で行うのか高架化で行うのかは、今年度中に方向付けができるように進めております。

【平成19年度の目標】
次に、平成19年度は、市としての方向性を決定した後、市民、鉄道事業者、行政で構成する懇談会を設置し、市の方向性について議論していただきたいと思っております。
また、広く市民の理解と協力を得るため検討内容の周知を図るとともに、千葉県、鉄道事業者等関係者との協議を進めることを考えております。

以上でございます。

 
     
     



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